第13章 銀行預金にしておくのはモッタイない!― 井戸美枝さんと中野晴啓さんの ‘熱中お金の貯め方、使い方’ 授業

 今から3年以上も前になるが「2,000万円問題」を覚えている方も多いのではないだろうか。2019年6月に金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループの報告書「高齢社会における資産形成・管理」が公表され、それを基にした某新聞の報道により、老後は2,000万円必要だと騒動になりました。国会でも問題となり、当時の麻生金融担当相は「表現が不適切だ」と報告書の受取を拒否するなどの異例な展開になった。

 この時、ワーキング・グループで精力的に活動していたのが、現セゾン投信(株)代表取締役会長の中野晴啓さんだ。その中野さんと貯蓄の世界のわかりやすい本を出版し、講演されているのがフィナンシャルプランナーの井戸美枝さんだ。井戸さんは、前社会保障審議会企業年金・個人年金部会委員だった。

 熱中小学校ではお二人でペア授業をお願いしている。

 2023年2月18日の高岡熱中寺子屋の授業では、井戸さんが iDeCoとつみたてNISA のわかりやすい解説をし、お二人は今進んでいる岸田内閣の「資産所得倍増計画」での変更の趣旨を解説された。中野さんは来年4月に施行されようとしている制度変更の機会を、‘日本人の’貯蓄の改革の起爆’にしたいという熱のあふれるお話だった。

高岡熱中寺子屋の授業では地元の金融機関の生徒さんと活発なやりとりが

「2000万円問題」の報告書には ‘必要な資金はケースバイケース’ という説明がありながら新聞報道によって、中野さんたちの ‘現金、預金から資産形成のための長期つみたて型信託投資へ’ というシフトは暫く水面下に入ってしまった。

 しかし、今回の岸田首相の「資産所得倍増計画」は、当時の報告書の内容そのものだという。

「ウクライナ、資源問題、分断経済圏、インフレーションという時代の大変革と、日本の個人資産形成の改革が一緒に来てしまった」、今や中野さんはその対応にフル回転だ。

 井戸さんは、「自分の所得や年金に加えて、金融資産にしっかり稼いでもらうためにはまず自分の生活出費の棚卸。必ず非課税の貯蓄分は見つかる人がほとんどです」

 私自身の話としては、年齢制限から関係ないことと思っていたが、来年4月からつみたてNISAでは制限がなくなる可能性が強いというので他人ごとではなくなった。

 お二人には、老後の不安解消のみならず、心身とも健康で社会との関係性を継続できる、ウェルネスライフのお手伝いをしていただきたいと申し上げたいのだが、井戸さんに言わせると「お金を貯蓄しても、何に使ったらいいかわからない方は困るんです」

高岡熱中寺子屋荒井公浩校長と食堂 ‘バナナ’ でランチタイム

 お二人の授業の結論は、

  • 貯める目的をはっきりさせる
  • 長期に継続する、有利な国の施策には乗る!
  • そして自分の意志で決めること

ということのようでした。

井戸美枝さん、中野晴啓さんのインタビュービデオはこちら:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です