2011 年 3 月 11 日の東日本大震災をきっかけに、‘他力創発’ の実験場としてキッチン&シェフ付きの常設オフィスを「オフィス・コロボックル」と名付けて東京・赤坂に開設した。日本IBM時代にお世話になった徳島の近藤紳一郎さん、パソコン事業で戦略を担っていた竹村譲さん、萩原茂樹さん、CKO(Chief Kitchen Officer)の水野弘子さんを立ち上げ人に、水野さんの手料理のもとに多くの方々が集い、新商品や新プロジェクトの企画が誕生した。2015 年には熱中小学校プロジェクトを生み、東京の拠点として活用された。

 竹村さんによれば、‘オフィス・コロボックル’ の「他力創発」とは、「他人の特異で得意な能力や感性に出会うことのできるリアルな「場」を提供するハブ組織。 そして、その能力や感性との貴重な出会いを、バーチャルな SNS の世界でも継続的に結びつけ、更に拡充・発展させていくことを支援する ”秘密基地”。そして出会いによる複数の相互作用がさらに組織化することで、個々の要素パワーからは予測もできないようなより大きな効果や運動をスピーディに創り上げていくこと」ということであった。
 事情があって9年後の 2019 年1月をもってクローズし、堀田一芙は “OFFICE KOROBOCLーNOMADO” として 2021 年 3 月まで台風災害復興地の宮城県丸森町での熱中小学校丸森復興分校開設、2022 年 1 月からはウェルネスツーリズムプロジェクト開発のために和歌山県すさみ町でそれぞれ臨時的な移動オフィスとして継続的に活動してきた。

 あの震災に遭遇したような、世界と日本の変わり目を感じさせる今、‘他力創発’ を担っていただいている方々と ’リアル‘ な「たまり場」をまず不定期でも東京都内に開設するべきとの思いを新たにした。同時に ’オフィス・コロボックル‘ の Web を新たに立ち上げて、そこに集まる ‘人’ をビデオ情報として集積していきたいと考えている。
 例によって、やってみよう、他人の善意を頼りに継続してみよう、の精神だ。

 幸い 2011 年と違うのは 22 か所の熱中小学校や、350 人のボランティアの教諭、1,000 以上の生徒さんが全国に散らばっている。各地の事務局の助けを借りながら、熱中小学校の教諭Webコンテンツにも貢献したい。
 一般社団法人熱中学園が行う、熱中小学校以外のプロジェクト(これまでの例として内閣府や地方自治体との地方創生事業等)についてもこの Web に掲載できればと思っている。                       

 東日本大震災を機に、突然の危機にも対応可能な新しい価値観の実践をめざして、開設した精神をこれからも皆さんのお力をお借りして進んでまいります。

2016年5月19日、熱中小学校の全国連携会議の懇親会。熱中小学校の5周年記念パーティーとなった(Facebookの投稿から)
2017年3月27日、第1回熱中小学校校長・教頭会議 @オフィス・コロボックル

新始動!「続・老いてからでは遅すぎる 〜 楽しく、しなやかに、果てるまで 〜 」はこちら

堀田 一芙(ほったかずふ)の Profile

一般社団法人熱中学園 代表理事。日本みつばち養蜂家。
1947年神奈川県横浜市で生まれる。日本アイ・ビー・エム(株)においてPC販売事業部長、ソフトウェア事業部長、経営企画担当などを常務取締役として歴任した。現在は(株)内田洋行顧問、(株)アイ・オー・データ機器顧問、(株)アイビス顧問。2011年東日本大震災後東京・赤坂にオフィスコロボックルを開設し、地方創生のプロジェクトを支援している。2015年以降山形県高畠町を皮切りに ‘大人の社会塾’「熱中小学校」を立ち上げ米国シアトル校を含めて22校になった。著書に「老いてからでは遅すぎる」(海辺の出版社)がある。
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