第41章 若宮正子さんは「食の熱中小学校」の元祖パイオニア 

「とにかくバッターボックスに立ってみる。バットを振ったら、当たってしまった」という若宮正子さん登場の「公共広告機構」の広告が1年間流れてからというもの、全国各地からの講演依頼がさらに増加してその日程管理、交通手段の確保など1人でさばいておられる超多忙な毎日に、申し訳ないが貴重なインタビューの時間をいただいた。

 特に最近の著書『昨日までと違う自分になる ―とりあえずやってみよう―88歳でも発展途上。』は、最初から終わりまで軽快なマーちゃん節の本なのだが熱中小学校に関する章も書いていただいた。

 二度目のインタビューシリーズに登場いただいた理由は、東京に開校する「食の熱中小学校」のキックオフをお願いしたかったからだ。

 毎年100回以上の講演の多くは地方で、「戦中戦後、お腹をすかした原体験から、まずはいつどこで食べられることから考える」というマーちゃんは地方での午後からの講演の前に出されるお弁当への興味が尽きない。地方の各地の個性ある味付け、旬の材料、お米の種類などにも心して、日本の食文化の多様性に感じ入るという。「それは、料亭のような食べきれないご馳走を並べるのでなくていい。素朴ないつも食べている地域の味でいいのです」

 地方の大人向けの社会塾「熱中小学校プロジェクト」はこれまで地方の人の成長を通じた地域活性化で活動してきたが、東京一極集中下、首都圏と地方の交流を通じた活動の必要性を感じていた。たまたま今春内閣府が公募した「関係人口創出・拡大のための対流促進事業」に応募して、都市と地方を ‘食のかかわりしろ’ で結ぶために「食の熱中小学校」を東京に開設し、食糧生産地である地方と最大消費地である首都圏との関わりを学びの力でつなごう、ということになった。座学のみならず、各地に出かけて行って体験しながら交流し地域と関わりを持てる活動とは、実はマーちゃんの日常生活そのものなのだ。

 食について言えば東京は世界中の料理が味わえるダイナミックな都市のひとつだろう。

 小さい頃からお母さんの味付けで育ってきた、旬の材料の味はどこに行ったのだろう? まだ地方にはそうした「心のこもった料理」の世界が多様に、普通に残っているのではないか?若宮正子さんは安価なお弁当の中にもそれを探して来たのではないだろうか?

 私は若宮さんとの対話で、都会での座学と地方での実習という、これまでなかった ‘食をハイブリッドに眺めてみる大人の学校’ の世界に踏み込んでいった。 熱中小学校活動を長年続けてきた中で培った自治体や事務局、地元との信頼関係、生徒さんの知恵とアイデアでこれまでなかった「人情味付きの」地元での実習体験を企画してみようではないか。

 こうして、東京都心で平日の夜に食に関する講座、生徒さんが自由意思で参加できる全国各地の ‘食の研修旅行’ の構想ができあがった。

 首都圏の消費者である我々と日本の地方が、その暮らしと食の文化を学びながら交流する旅の始まりだ。地域ごとに違う食文化を五感で味わうには食材の生産者との交流も大切だ。「食の熱中小学校」第一期は9月開校からこれまでに8か所の熱中小学校実施地区から実習地として手が上がった。はたして、募集いただいた100人の生徒さんのうち何人がオプションの旅に参加していただけるか、楽しみだ。

 最近「ニッポン美食立国論」を書かれた一般社団法人ガストロミ―協会会長の柏原光太郎さんとの出会いから「食の熱中小学校」校長先生就任を快諾いただき、「逆参勤交代」プロジェクトを実践する三菱総合研究所主任研究員の松田智生さん、書籍・雑誌編集者で COOKBOOK LAB.主宰の綛谷久美さんが教頭先生に着任いただいて、2023年7月29日(水)のオープンスクールで幕が開けた。

 これまでなかったことをやってみよう、‘コピぺはダメよ’ 、とマーちゃんがささやいた。

 「食の熱中小学校」オープンスクール(無料)のお申し込みはこちら:https://shoku-no-necchu.com/study001/

 若宮正子さんのインタビュービデオはこちら:

東京で本年9月開校!「食の熱中小学校」のWebサイトはこちら:

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