第69章 小杉博俊さんの ‘ああ愉快なりの発想工房’

 発想仕事人モノづくり研究所所長の小杉博俊さんは六十数年間、世に未だ無い素材の開発と用途開発、新発想生活グッズの開発とそのマーケット開拓にいそしんできた。私の仲間では最も ‘奇人’ いや ‘貴人’ の一人だ(笑)。赤坂にオフィス・コロボックルを一緒に運営していた竹村譲さんが是非紹介したいと連れてこられて2019年、熱中小学校図工教諭に就任いただいた。当時まだ「とかち熱中小学校」が更別村で行われていた頃の、QRコードの入った郵便局のスタンプデザイン創作の授業以来、全国のワークショップ型授業の草分けになった。

 小杉さんの「発想仕事人モノづくり研究所blog」から以下、転載させていただこう。

「QRコード付風景スタンプ」を一般社団法人熱中学園代表理事の堀田一芙さんと考案し、「QRコード付風景スタンプデザイン実習授業」をスタート。

  全国の熱中小学校の美術の授業の一環として、地元を愛する生徒のデザインによる、風景スタンプの制作に挑戦しています。 郵便物などでスタンプを受け取った方は、いつでも発信者が住む地の最新情報に触れることができます。

熱中小学校と自治体、地域全体との協働による革新的な「QRコード付風景スタンプ」を、​具体的な地方創生活動として、デジタルで、全国ネットで発展させていきたいと思ってます。

「発想仕事人モノづくり研究所blog」“2019年、熱中小学校図工教諭就任「QRコード付風景スタンプ」を開発。QRコード付風景スタンプデザイン実習授業を開始。” より

 この授業はコロナ禍で中断されたが、次々伝播して10校を数えるようになった。

 全国の郵便局には独自の風景スタンプが認められており、手紙を受け取った局印の中に隠されたQRコードをスマホでかざすと指定するWebに飛んで観光情報などにアクセスできるという考えの面白さに、小杉さんも私も取りつかれてしまった。地方や都内の郵便局長とともに当局にいろいろかけ合ったが、認可されずに終わったが、一般社団法人プラチナ協会からは、2019年に「プラチナ大賞優秀賞きらり構想賞」をいただいた。

とっとり琴浦熱中小学校での授業後の懇談風景(右から2人目が小杉博俊さん)

 絵の中にIT技術をうまく隠しながらもしっかりとネットの時代に対応しているという面白さ。デザイン素材に常にアンテナを張り巡らして、社会のの流れをくみ取りながら、接点を企画するという小杉博俊さんの商品計画の愉快な傑作の一つだと思う。

 一方で宮城県丸森町の「熱中小学校駅丸森復興分校」の鉄道スタンププロジェクトは阿武隈急行と共同ですべての有人駅の駅スタンプをQRコード付きにすることに成功する。

 阿武隈急行沿線の高校生と大学生の美術の学生が制作に参加したこのプロジェクトは、内閣府地方創生の令和3年度「関係人口創出・拡大のための中間支援モデル構築に関する調査・分析業務」のデジタル化事例としても取り上げられた(以下は報告書から転載)。

 コロナ禍、渋谷の事務所を畳んだということでご自宅にインタビューに出かけたが、50年近く前にデザインしたご自宅が今でも居心地が良くかつ合理的な設計になっているのには感心した。80歳を超えてもまだ7歳の目で新しい ‘愉快なる企て’ を探し続けている先輩に触発された秋の午後でした。

小杉博俊さんのインタビューはこちら:

全国熱中風景スタンププロジェクトはこちら:https://co-landscapestamps.com/index-html/ 

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